シリコンバレーを骨までしゃぶるブログ

金融業界の三十路♂がシリコンバレーから日々の気付きやライフハックを発信していきます。

転職することは善か悪か?

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こんにちは、Hiroです。

最近、日本にいる友人や当地で知り合った人から転職の相談を受けることがあったので、今日は皆が一度は考えたことがあるであろう、転職の話でも書きたいと思います。

以下、転職についての自分のスタンスをツイートから抜粋。

 シリコンバレーにいる人達

当地にいると、日本企業の駐在員の方や、VC関係者、メディアの方、スタートアップのCEO(not Japanese)とお会いする機会がそこそこあります。

彼らのバックボーンは皆一様に違いますが、全員に当てはまる共通点をあえて挙げるとすれば、皆「自ら望んでそこにいる」ことです。

少なくとも僕が話していて「米国駐在なんてやりたくないですよ、ほんとは」「たまたま起業しちゃってCEOになっちゃった」なんて人はほとんど居ないわけで、なんらかの自発的動機や目的があってこの地に居るわけです。僕も例外ではありません。

そしてそんな人達が帰国後や現地の企業に転職したという話もちらほら耳にします。

日本では転職経験者はマイノリティー? 

少し自分の話をしますが、僕は今の会社に入った時点で数回転職をしていました。

一方で周りを見ると大学を卒業後、ずっと同じ会社で働いているという人が圧倒的マジョリティーであり、その点では僕はマイノリティーです。

ここで大事なことは転職についての是非や、善悪ではなく、自分が人生において何にプライオリティ(優先順位)を置いているか、どんな幸福を求めているのか、どうやって自己実現を果たすのか、といったことであり、本質はそこなわけです。

受験戦争に勝ち抜いて、いい大学に入って、いい会社に入って生涯安定した収入と雇用が保証される、という一種の人生アガリだったパターンも徐々に色あせてきています。たとえ人並以上の経済的自由が保証されていても、それが幸福と同義ではないからです。

 

本来は社会に出て特定のコミュニティに所属することは人生における自己実現を果たす手段の一つに過ぎないはずなのですが、日本においてはいつの間にかそれは手段であることを忘れ(または黙殺し)、所属することが目的になっていた時代が長く続いていたのだとも言えます。(まあこれには色んな背景がありますが、長くなるので割愛)

※この記事では詳細は触れませんが、このあたりは「幸福の資本論」を是非読んでみて下さい。

 

 

 渡米前に・・・

渡米前にとある役員の方に壮行会を開いていただいたのですが、その時にこんな質問をさせていただきました。

 

僕「他の企業でも外国に駐在した後、現地で見識を広め、帰国後に別の企業に転職する人が多いとよく聞きますが、その点についてどう思われますか?僕もそうなると思いますか?」

 

役員「君がそうなるかどうかはわからない。しかし、端的に言えば、辞めていく人が多いということはその人にとってその組織に所属することが魅力的ではないと思ったからだろう。当然海外に送り出した側としては、転職されることは残念だが、それは役員・社長をはじめたとした経営陣の責任でもある。海外に行かせて終わりではなく、帰国した際にこの会社にまた居たいと思わせるような魅力ある会社づくりをするのが送り出した我々の責務なんだよ。」

 

シビれませんか?まさかこんな回答が返ってくるとは思っていなかったので、内心スゲェなこの人・・・責任感と覚悟が半端ネェ!!と思ったのを今でもよく覚えています。

なぜここまで衝撃を受けたかと言うと、その他の方の大半は「米国がんばってこいよ!!でも戻ってきたら辞めるなよ!」「辞めたら許さんぞ!」といったお言葉がとても多かったからです。内心、「なぜ辞めないことがまるで’善’かのよう考えているのだろう。なぜ所属し続けることが美しく、当然だと思っているのだろう。」と思っていました。

 

誰の人生?

最後に僕の転職に対する考えを記して終わりにしたいと思います。

人生は一回きりです。20歳から定年までの約40年間をどう社会で生きていくのか、については人それぞれだと思いますが、僕はやっぱり自分らしく、充実した幸せな人生を送りたいです。好きでもない仕事を好きでもない上司からやらされ、それを耐え抜いた事のトレードオフとして経済的自由を手にし、家族を養っていくことは周りから見れば美徳と言えるかもしれません。

しかし、周りの人が自分の人生を創ってくれるわけではありません。なによりそれは、自分自身に対して不誠実です。少なくとも自分の人生なわけですから、自分の本当にやりたいことや好きな事に誠実に向き合うべきだし、それが転職によって実現できると考えるなら、どんどんやるべきです。お世話になった人に恩義を感じるならしっかりと恩返しをすればよいだけで、それは同じ組織にいないとできないわけではないはずです。結局は自分を高めていくことが組織への貢献にもなるし幸福への近道だと思います。

 

と、偉そうに書きましたが、この手の相談に乗ることは正直いって苦手です(笑)なぜならば何を重視するかは人によって全く異なるからです。例えばやりがいなのか、安定(収入)なのか、幸福なのか、どれを取るかは結局のところ、個人の価値観に大きく依存します。相談されても僕の価値観に基づいたアドバイスしかできませんし、その意見が相談者の人生に大きく寄与するとは保証できないですからね(;^ω^)

 

というわけで、今日はこのへんで、Bye!

 

 

Hiro