シリコンバレーを骨までしゃぶるブログ

金融業界の三十路♂がシリコンバレーから日々の気付きやライフハックを発信していきます。

異文化コミュニケーションって?

とある研修を受けた

 

渡米前に、とある研修を受講する機会に恵まれました。その研修テーマがタイトルの異文化コミュニケーションでした。内容がとても良かったのと日本で働く時もとても役立つと感じたので備忘録も兼ねて書き残すことにします。英語の話ではありません。コミュニケーションの話です。面白いので是非読んでみて下さい♪( ´▽`)

※研修内容をそのままではなく、個人の主観も多少交えて紹介しています。

 

違うのは言語だけなの?

 

まず僕は日本で育ち、日本語を母国語として話します。これを読んでくれている皆さんもそうではないでしょうか?そして今から僕が行こうとしているアメリカ🇺🇸では母国語を英語とするわけです。言葉が違うだけなの?そうではないんですね。では何が違うんでしょうか?

 

孔子方式とソクラテス方式

 

育ってきた環境、特に教育面が違っているんです。アメリカをはじめとする欧米はソクラテス方式です。ソクラテス方式の主な特徴は以下の通りです。

  • 対話方式(問答式)=先生と生徒は対等
  • 質問することを評価する=黙ってたら評価されない。質問によって回答に導く

 

日本や中国をはじめとするアジア諸国孔子スタイルです。孔子スタイルの特徴は以下です。

  • 1対Nの授業方式=先生がなるべく沢山の生徒に一方的に教える
  • しっかり聞くことを評価する=質問が多いと授業の妨げになるかもと忖度する

 

どちらもメリットとデメリットがあり、どちらが良いか、という議論はここでは不毛なのでしません。問題はそこではありません。この違いが、日本人とアメリカ人に何をもたらすか、を知っておく必要があります

 

一を聞いて十を知る

 

一を聞いて十を知る。これは皆さん聞いたことがあると思います。日本人はこれが美徳とされます。みなまで言うな。というヤツです。

わかりやすいのが関西のおばちゃん同士の会話です。

※ちょっと京都弁入ってますが、気にせずお読みください

 

おばちゃんA「どこまで行ってきはったん〜?」

おばちゃんB「ちょっとソコまでアレ買いに〜。」

おばちゃんA「あ〜よろしいなぁ。ウチもアレ買いに行こ」

おばちゃんB「ほな、またアトでね〜!」

 

僕は大阪育ちですが、こんな会話はよく聞きますしこれで会話が成り立ってます(笑)

 

アメリカ人目線でみると、アレってどれ?!ソコってどこ?!アトっていつ?!となるわけです。(あくまでも傾向としての話です。)

相手の気持ちを推し量って想像するのが日本人の美徳であり得意技なんです。悪く言うとはっきり明言しないんです。はっきり言ったりすると「野暮」だとか言われます。

 

だんだん違いが見えてきましたね٩( 'ω' )و

 

ハイコンテクストとローコンテクスト

さきほどの関西のおばちゃんを例にあげて説明します。このような人たち(というか日本人)は基本的にかなりハイコンテクスト(High context)です。一方、アメリカ人はハッキリ言わないと分からないのでローコンテクスト(Low context)です。

数字で例えると

1(ローコンテクスト)・・・・・・・・・・・・・・・・10(ハイコンテクスト)

という感じです。日本人は「10」に位置しますアメリカ人は「3」ぐらいだそうです。

もう一歩踏み込んで説明します。

ローとハイの違いはWord(言葉)の他にプラスαがあるか、です。

ローはWordのみで伝えます。ハイはWord+態度・仕草・表情などを加えて伝えます。

ハイの方はαで伝える分、言葉は少なくなりがち。←これ大事、テストにでます(笑)

 

要するに日本人は

  • 1言ったら10までわかってよ。顔見たらわかるでしょ?仕草で気づいてよ!

というスーパーハイコンテクスト集団なんです。聞き手に厳しい言語でもあります。

わからなかった方が悪い、という風潮がある言語です。

 

一方アメリカ人は

  • 1しか言われてないしわかんないよ。大事な情報はちゃんと全部言ってよ!

という感じです。話し手に責任を問う言語なんです。ちゃんとわかるように言わなかった方が悪い、というわけです。聞き直すのは全く失礼にあたらないお国柄です。

 

どうでしょうか?ここまで読むと言語というよりも、もはやコミュニケーションの取り方が全然違うなと思われていることでしょう。

 

ここで質問です

  1. あなたが心地良いのは1〜10のどの位置ですか?➡️
  2. あなたのチームは1〜10のどの位置ですか?➡︎
  3. あなたの企業は1〜10のどの位置ですか?➡︎
  4. あなたの企業はどの位置を目指すべきですか?➡︎

※さきほどの1がロー、10がハイだとしてお答えください。

 

これは同じ日本人でも結構答えが異なる質問です。自分の特性をよく知っておくことも大事です。ちなみに僕は正直に書きますが、上から順に3、7、8、1です。

一般的な日本人は①の質問では「10」に近い回答が多いそうです。(7とか8とか)

仲の良い友人とこの質問をやって見てください。きっと答えが近いはずです。僕はおそらく日本人では少数派のロー寄りの位置を好む人のようです。でもアメリカ人とは結構近い位置にいるので合うかもしれません(笑)

 

では、そろそろ本題に入ります。(お待たせしましたm(_ _)m)

 

ミスコミュニケーションが起こる訳

皆さんの周りやご自身でもこんなことはありませんか?

  • 言ったはずなのにいつも伝わってないな…
  • あの人(特定の人)の話、いつも何言ってるのかわからないな…

 

この研修で一番ドキっとしたのはここでした。

同じ日本人同士でも話す/聞くコンテクストのレベルが違うからミスコミュニケーションが起きてたんだっ!と気づきました。

そして最強のコミュニケーション方法にも気付きました。

  1. 話す時はローで話す=しっかりと全部言う。面倒がらない。
  2. 聞く時はハイで聞く=意思を汲み取りながらも分からない時は必ず質問する。

こうすることでミスコミュニケーションは減っていきます。それとは真逆に、話す時はハイで、聞く時はローの人、にならないように気をつけたいと思います。多分いろんな人とミスコミュニケーションが起きている人はこっちになっているかも?

 

また、特定の相手と長くいると段々、お互いハイコンテクストになっていきます。

若いカップルは愛をいつも語り合いますが、老夫婦は阿吽の呼吸でお互いの意思を口に出さなくても分かり合えるように。

 

僕は以前、全社に向けて文書を発信することが多い部署にいましたが、その時に意識していたのは

  • 今日入社したての新入社員にもわかるような言葉、表現、資料を使う
  • 内容がわかりにくいと指摘されたら、指摘箇所を掘り下げ、次回以降は改める

 

この2点だったことを思い出したりしました。

 

結論

 

始めは異文化コミュニケーションって難しそうだなと構えていましたが、フタをあけてみると結局お互い歩み寄る姿勢、なんだなと理解しました。

 

そしてその研修の講師はこうもおっしゃっていました。

「日本人はハイコンテクストだから10なんです。10の人は1~10の間を可変させられる国民でもあるんです。1の人は明日から10になれません。10側がコントロールして相手の階段に合わせましょう。それがハイコンテクスト集団の腕の見せ所です」と。

 

僕自身の米国でのコミュニケーションもそうですが、対日本人のコミュニケーションもお互いが分かり合えるようにしたいなと思ったりしたのでした٩( 'ω' )و

 

でも、僕は基本ローよりの人間なのでわかりやすく言ってくださいね(笑)

 

 

それでは!